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在宅介護現場での執拗な八つ当たり

在宅介護現場での執拗な八つ当たり、老いの寂しさ?

在宅介護現場での執拗な八つ当たり、老いの寂しさ?

HN:すじこ
年齢:40代
性別:女性

 

介護保険が始まった平成12年、私はホームヘルパーとして働きだしました。学歴が低い為、飲食店勤務が長ったのですが、ホームヘルパー2級講座を受講。こんな私でも採用してくれる会社があり、『仕事ならなんでも!』という思いで取り組みました。

行政出身の厄介な利用者を担当することに

ローテーションですが、30名ほどを担当。その中のおひとり、当時85歳、公務員と勤め上げ、独身を貫いた女性利用者さんのお話しです。

 

週2回、朝9時~2時間の生活援助(当時は家事援助という呼び方)介護度も低く、しっかり自立されている方でしたが、介護保険が始まって間もないことから家政婦並みの業務内容。
ご本人も、『使ってやっている』という意識で、家政婦並みの扱い。行政出身なので、介護保険のしくみも裏事情もご存じのご様子。『国の補助で運営している会社の従業員』という位置づけなので、家政婦さんより手厳しい扱いだったかもしれません。

サービス外のことにも即苦情の電話が

援助内容の掃除では、完璧なまでの内容とともに、障子張替から家具移動からの雑巾がけ、ミリ単位での家具移動。今思えばサービス外の事でしたが、お断りでもしたならば即苦情の電話が入ります。

 

お受けしてサービス施行しても、やりすぎだと会社では怒られます。やらない場合は利用者さんから苦情電話が来ます。その狭間で、心がバラバラになりそうな日々でした

 

調理の援助では、肩が触れる後方からの調理指導。ご自身で可能なのでは??と思うこともしばしばでしたが、やってもやらなくても否定されるのなら、やっておこうという思いでした。

「いじめるの待っていたわ」と衝撃の言葉

訪問時間にも厳しく、9時の時報とともにインターホンを鳴らすのが鉄則。1分早くても遅くても苦情の電話が入ります。ある日の訪問時、玄関先でAさんがおっしゃいました。

 

『あなたをいじめるの待っていたわ』と。驚きと共に、老いの寂しさを感じ、外部との関係が希薄になってくると訪問してくる人への執着が増すのだと思いました。

 

どのような感情でも、人を待つ気持ちには変わりがないのですね。サービス終了後、帰社すると、通帳がなくなったと泥棒扱いされた事もありました。

 

警察を呼んで欲しくても、『そこまで騒ぎにはしたくない』など。なんでも言う事を聞く私が、八つ当たりの対象として便利だった事は間違いありません。

 

必要な八つ当たりだったのでしょう。虚しさと惨めさに押しつぶされそうな日々でしたが、あの方にとって私は必要だったのですね。あれから15年経ちますが、今でも思い出されます。

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