臥位(がい)
臥位とは、寝た姿や寝た状態のことをいいます。上を向いた寝姿の仰臥位(背臥位)や横を向いた寝姿の側臥位、顔を横に向けうつぶせになった状態の伏臥位(腹臥位)などがあります。臥位は基底となる面を広くとった体位で、いずれも立位や座位に比べて安定した姿勢ですが、床ずれの発生を防ぐために同じ体位を長く続けないようにすることと、楽な姿勢を保つために、体位を変える際に苦痛を伴わせないように配慮することも大切です。
介護アテンドサ-ビス士
介護アテンドサービス士とは、介護労働の即戦力となる家政婦の地位向上をはかるため、厚生労働省によって認定される技能審査制度による技能者です。受験資格は、①介護サービスに6カ月以上の実務経験を有し、介護サービス職業講習を修了した者、②職業能力開発促進法に定められた職業転換課程の能力開発訓練(介護サービス科)を修了した者、③その他中央職業能力開発協会長が定める者とされます。
介護移住(かいごいじゅう)
介護移住とは、介護のために住まいを移ることです。介護移住には、高齢者が子どもや孫などの所に同居する場合も、介護の必要な親の家に子どもなどが同居する場合も含みます。また、介護サービスの内容には各市町村によって格差があるという理由もあり、介護サービスが充実した自治体を求め転居するケースも少なくありません。
介護一時金(かいごいちじきん)
介護一時金とは、介護保険給付では賄いきれないサービスを受けるために、介護保険の基準を超える費用負担分をいいます。多くが公的介護保険の要介護度1以上、介護年金は要介護度2以上から支給されます。被保険者が要介護状態に該当したときに支払われる介護保険金や介護年金は、受取人が被保険者および被保険者の配偶者・直系血族ならびに被保険者と生計を一にする親族の場合、全額非課税です。
介護うつ(かいごうつ)
介護うつとは、高齢の家族を在宅で介護する人が、悩みや不安によるストレス、心身の疲労などから、うつ状態に陥ることを言います。身近な人がもとの状態に戻らないという喪失感や、自分の時間が確保できない拘束感などに起因し、一人で介護を抱え込んで疲れ、精神的に孤立した時に陥りやすいと言われます。ひとりで介護を背負い込まないことや、積極的にサービスを利用するなどの対策が指摘されています。
介護栄養食事指導(かいごえいようしょくじしどう)
介護栄養食事指導とは、医師の指示に基づいて、管理栄養士が具体的な献立にあわせた食事指導を行うことです。適切な栄養指導を行うことによって、介護を受ける人の栄養状態の改善、誤嚥性肺炎の予防などが期待できます。通院が困難な場合は、自宅へ管理栄養士が訪問する訪問栄養食事指導も行われます。訪問栄養食事指導は介護保険を活用することができます。
介護機器(かいごきき)
介護機器とは、高齢者やハンディキャップのある方が、様々な日常生活の諸動作を可能な限り自分でできるよう支援したり、あるいは介護がよりスムーズかつ快適に行えるよう、サポートする機器の総称です。介護保険法においては、介護機器とは「福祉用具」を指します。介護保険制度の発足により、介護機器の購入が一定の条件下で補填できる制度が作られたため、市場は広がっています。
介護休暇制度(かいごきゅうかせいど)
介護休暇制度とは、会社で働く人々が家族を介護するために休業できる制度です。 要介護状態にある対象家族を介護や世話をする労働者は、事業主に申し出ることで1年度につき最大5日(介護、世話をする対象家族が2人以上の場合は10日) 取得できます。パートやアルバイトでも、期間の定めのない労働契約で働いている人は対象となります。
介護休業給付制度(かいごきゅうぎょうきゅうふせいど)
介護休業給付制度とは、労働者が介護休業を取得しやすくし、介護休暇後の円滑な職場復帰を援助、促進することで職業生活の継続を支援する制度です。受給資格は、雇用保険の65歳未満の一般被保険者で、家族を介護するための休業を取得した者、介護休業を開始した日前2年間に、金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あることです。
介護給付(かいごきゅうふ)
介護給付(かいごきゅうふ)とは、介護保険制度において、要介護認定を受けた被保険者になされる、在宅介護や施設介護などのサービスのことをいいます。居宅介護サービス費、特例居宅介護サービス費、居宅介護福祉用具購入費、居宅介護住宅改修費、居宅介護サービス計画費、特例居宅介護サービス計画費、施設介護サービス費、特例施設介護サービス費、高額介護サービス費の9種類があります。
介護給付適正化推進運動(かいごきゅうふてきせいかすいしんうんどう)
介護給付適正化推進運動とは、介護給付費の抑制を目指して2003年度から厚生労働省で行われた活動です。介護給付費が増える中、不適切、不正な介護サービスを防止することを目的とし、国、都道府県、市町村(保険者)が連携して、介護サービスは利用者の自立支援に役立っているか、必要以上のサービス提供はないか、判断したものです。
介護給付費交付金(かいごきゅうふひこうふきん)
介護給付費交付金とは、介護保険制度における介護保険の対象となる給付に要する費用のひとつです。全国の医療保険者から集めた介護給付費・地域支援事業支援納付金を財源として、社会保険診療報酬支払基金が各市町村の特別会計に対して支払われます。国・都道府県・市町村などの公費負担分に加え、この交付金によって介護保険の財源を安定化させるのが目的です。
介護記録(かいごきろく)
介護記録とは、介護を受ける人一人ひとりの状態の変化や介護の内容、生活状況など一連の経過を記述し、提供したケアの証明や科学的根拠を示したものです。介護保険制度において、介護保険施設・事業所は、介護業務を行うなかで、介護サービスの過程を記録し保管することが求められています。介護記録には、介護日誌、フェイスシート、アセスメント表、介護経過記録などがあります。
介護サービス(かいごさーびす)
介護サービスとは、介護保険の被保険者が利用できるサービスのことです。介護サービスには、自宅にいながら利用できる居宅介護サービスと、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)などに入所する施設サービス、高齢者が身近な地域で生活し続けられるよう、事業所のある市町村の要介護者・要支援者に提供される地域密着型サービスに大別されます。要支援認定・要介護認定の区分によって受けられるサービスは異なります。
介護サービス苦情処理委員会(かいごさーびすくじょうしょりいいんかい)
介護サービス苦情処理委員会とは、介護サービスの提供事業者に苦情があるときに受け付ける委員会です。委員会は各地の国民健康保険団体連合会(国保連)の中にあり、苦情を書面で申し立てると、介護相談員などが事業所・施設等を訪問し、調査、指導、助言を行います。苦情相談は国保連事務局、各事業所や施設のほか、市区町村の介護保険窓口、担当のケアマネジャーにも相談できます。
介護サービス計画(かいごさーびすけいかく)
介護サービス計画とは、介護サービスを適切に利用できるよう、利用する介護サービスの種類や内容を定めた介護サービスの利用計画のことです。ケアプランは、居宅介護支援事業者(ケアプラン作成機関)、ケアマネジャーに作成を依頼することができます。介護サービス計画は自分で作成できますが、その場合は利用者本人または家族が、市区町村へ届け出なければなりません。
介護サービス事業者(かいごさーびすじぎょうしゃ)
介護サービス事業者とは、要介護者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービスおよび福祉サービス(総称して介護サービスという)を提供する事業者のことです。介護サービスは、指定居宅サービス事業者、指定地域密着型サービス事業者、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設などの7つの類型に分け定義されたうえ、さらに詳細に分類されます。
介護支援サービス(かいごしえんさーびす)
介護支援サービスとは、介護保険制度に位置づけられた「介護サービス計画(ケアプラン)」を策定し実行する仕組みのことで、介護保険制度におけるケアマネジメントともいいます。高齢者の「生活の質」の維持・向上を目指す観点から、サービス担当者が利用者の立場でそのニーズを把握し、関係者が一緒になってサービスの基本方針である「介護サービス計画(ケアプラン)」を策定し実行する仕組みが提言されました。
介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)
介護支援専門員とは、介護保険制度においてケアマネジメントを実施する資格をもつ人で、ケアマネジャー(ケアマネ)ともいいます。介護支援専門員は、要介護者や要支援者からの相談を受け、自立した日常生活を営むのに必要な援助に関する介護サービスの給付計画(ケアプラン)を作成します。あわせて、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめを行います。
介護支援相談(かいごしえんそうだん)
介護支援相談とは、利用者の介護全般に関する相談援助のことです。課題把握のための受理面接(インテーク)、必要な介護サービスの査定(アセスメント)、サービス計画、個別支援計画を作成(プランニング)の流れで進みます。サービスの利用開始後も定期的に評価(モニタリング)して、要介護者と介護者の状況に合わせて再びアセスメント、プランニングを行います。
介護車(かいごしゃ)
介護車とは、障害者や高齢者の地域生活を支援するための車両です。シートへの乗り降りをサポートするタイプ、車いすのまま乗り降りするタイプ、自身が運転できることを支援するタイプなどさまざまなタイプがあります。介護車の購入に際しては、税の優遇により、購入価格の負担が軽減されます。また、現在持っている車を改造することもでき、改造費の助成も行われます。
介護者家族の会(かいごしゃかぞくのかい)
介護者家族の会とは、介護をする家族が気持ちを打ち明けたり、悩みを相談したり、知識を補ったりする場です。家族会では、交流を深める活動のほか、専門家の講習会を行ったり、出張のデイケアを併設するなど、場所によってさまざまな特色があります。家族会には、介護サービス事業者が地域活動として行っているものもあるほか、自治体が家族会の立ち上げを支援する事例もあります。
介護職員初任者研修(かいごしょくいんしょにんしゃけんしゅう)
介護職員初任者研修とは、介護を行う際に必要な基本的な知識と技術、介護を実践する際の考え方を理解するための研修です。受講形式は講義と実技実習からなりたち、講義では介護に必要な知識を幅広く、実技実習では、実際に体を動かしながら、さまざまな介護技術を習得します。介護職員初任者研修は誰でも受講できますが、全課程修了後に筆記試験を受ける必要があります。
介護食品(かいごしょくひん)
介護食品(かいごしょくひん)とは、噛む、飲み込むなど食べる力が落ちた高齢者や低栄養状態の人が食べやすいように加工され、栄養が管理された食品のことをいいます。農林水産省は、2015年度(平成27)より介護食品の状態をわかりやすく示した選び方の独自基準を導入しました。新しい介護食品の愛称はスマイルケア食といい、かむ力と飲み込む力の状態に応じて、7段階に区分されています。
介護倒れ(かいごだおれ)
介護倒れとは、介護による疲労がたまり、介護者が倒れてしまうことをいいます。介護者は、介護倒れに備え、常にシミュレーションしておくことが必要です。自分が介護できなくなった場合は、訪問介護や高齢者緊急ショートステイなどを活用して介護倒れを回避することが解決策のひとつです。また、日ごろからショートステイなどを活用し、介護者自身の負担を軽減することも大切です。
介護タクシー(かいごたくしー)
介護タクシーとは、介護を必要とする介護保険サービスの対象となるタクシーのことです。介護タクシーは訪問介護に含まれるサービスですが、利用するには要介護1以上の介護度、介護認定を受け自分の担当ケアマネジャーが決まっているなどの利用条件があります。名称も地域によって多少異なっていますので、事前に確認しましょう。介護タクシーは移送を伴う介護ですが、移送部分は介護の対象になりません。
介護度(かいごど)
介護度とは、どのくらいの介護が必要かを表す尺度で、要介護度ともいいます。要介護認定の判定により介護が必要な状態と判断が下ると、どれくらいの介護が必要かをあらわす「要介護度」が決定されます。「要介護度」は全部で7段階に分かれています。要介護度のレベルによって、利用できる介護サービスの費用や内容が変わってきます。介護保険は要介護度に応じてサービスに利用できる限度額が決まっています。
介護認定審査会(かいごにんていしんさかい)
介護認定審査会とは、介護を必要とされる方がどれくらいの介護が必要かを審査・判定するため、市町村の附属機関として設置されているものです。市町村は、介護認定審査会から通知された審査判定結果に基づき要介護認定を行い、申請した被保険者に結果を通知します。委員に任命されているのは、医師、薬剤師、介護福祉士などの資格の保有者がほとんどです。
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